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こちらのCDに収録されています音源は私がドイツ留学時に住んでいたロストックという街にある“バロックザール”という素晴らしいホールで、親愛なるベルント・ツァック先生監修のもと非常に長い時間と情熱をかけて録ったものです。

内容はバロック時代から近現代まで幅広く、さらに各作曲家の出身地も様々です。
また留学中にはそれら全ての国に実際に足を伸ばし、たくさんのインスピレーションを得ました。
モーツァルトは生前次のような言葉を残したそうです。
“ぼくは断言しますが、旅をしないものは(少なくとも芸術や学問にたずさわる人々の場合は)実にあわれむべき存在です。”
私は留学中この言葉の真の意味を理解したような気がしました。
バッハは言いました。
“音楽だけが世界語であり、翻訳される必要がない。そこにおいては魂が魂に働きかける。”
様々な国に行ってみて、言葉は違っても人間が喜んだり悲しんだりする『感情』は共有できるものであり、感じる心は誰もが持っている。だからこそ音楽は世界や時を超えた共通語なのだということを実感しました。

このCDをお手にとって頂いた皆さまに時や国を越えて、作曲家たちが楽譜に託した想いや感情を感じて頂ければという願いから『時と空間の旅』というタイトルをつけました。

それぞれの作曲家が生きていた時代、生活した場所で感じたもの、言葉では表現しきれないものを彼らは私達に遺してくれました。私の演奏が作曲家とみなさんへの架け橋となり、少しでも何かをお伝えすることが出来ましたならそんなに幸せなことはございません。
最後になりましたが、CD制作に関わって下った全ての方々へ深くお礼申し上げます。

音楽の旅は非常に神秘的で、物質的な世界からは説明もできないような、心のこもった世界への旅です。それでは、新たな出会いや発見がある素敵な旅になりますように。

                                                                                             赤星 佳奈

画面2
J.Brahms:4 Klavierstücke, Op.119 I&II
​こちらからCDに収録されている作品をご視聴頂けます。
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